2024年3月26日火曜日

カリフォルニア|地震への備え(Earthquake Preparedness)⑥

 カリフォルニア|地震への備え⑥

第六回 ゲートウェイ・ガーデン|Gateway Garden

(別名:Oakland Hills Fire Memorial Park)

緊急時の備えについての展示

イーストベイ、オークランド・ヒルズ

サンフランシスコからベイブリッジを渡った対岸の南北にわたる広い地域はイーストベイと呼ばれる。交通の大動脈であるインターステーツ(州間道路)80号線や880号線は低地を南北にはしるが、その東側には平行して丘陵地帯(hills)が連なる。

この丘陵地帯の西の斜面は町ごとにオークランド・ヒルズとかバークレー・ヒルズとか呼ばれ、昔からわりと裕福な人たちが住む一戸建ての大きな住宅が多い地区という印象がある。また家にいながらにしてサンフランシスコ湾の絶景を目にすることもできる。

もともと全体的に気候が温暖なベイエリアではあるが、こうした丘陵地帯は、局所気候の影響で、さらにしのぎやいとされる。一口にベイエリアとはいえ、ほんの少し移動しただけで寒暖の差が感じられる。

オークランド大火災

そんなオークランド・ヒルズで1991年10月19日に約3000棟の住宅が焼失した大規模な山火事があった。オークランドでも大きな被害を出したロマ・プリエタ地震(1989年10月17日;M6.9)からちょうど2年目のことである。

私が渡米したのは1994年ごろだったから記憶にある由もないが、当時このあたりに住んでいた人にとっては、地震も火災も記憶に新しい出来事であったに違いない。ただ私にとっては、こうした記念碑的な場所を見つけるまでは、知り得なかった情報であるともいえる。

あれから30年、こうした災害の記憶は、直接的な被害にあった人でない限り、だんだんと忘れ去られていくものだろう。それに、こうした災害を知らない世代が育ち、また他の土地から流入する人たちも多い。そういう意味では、こうした記念の場所を造って後代に伝える努力は大切なことだと思う。

オークランド・ヒルズの一画に設置された防災ガーデン(Oakland Hills Fire Memorial Park)

大火災が発生したのは、ちょうど丘陵地帯を東に抜けるトンネル(Caldcott Tunnel)の入口を中心とするエリアである。トンネルのあるあたりは、ちょうど谷間のようになっていて、そのトンネルとそれに通じるフリーウェイを眼下に見おろす丘の中腹に、被災者の一人によって造られた防災ガーデンがある。

このガーデンは、ベイブリッジとサンフランシスコを見下ろせる場所にあるデッキ(ここに展示パネルが設置されている)があるほか、実際にどんな植物を植えたらよいかのモデル・ガーデンもある。

案内パネルには次のようにかかれている:

ゲートウェイ・ガーデン・パビリオン
緊急時の備えに関する展示
イーストベイ・ヒルズでは火災と地震の危険は常に付きまとう。この展示物はこの地域で発生した大災害の歴史的な概要を記すものであり、また山火事や地震に対して地元住民がどのように備え、被害を軽減することができるかについての実用的な情報を与えるものである。
1991年大火災の被災者ピーター・スコットによって設計されたこのパビリオンは、壊滅的な大火災による破壊とその後の再生を象徴するものである。

防災に関する15枚のパネル

デッキには、火災や地震に対する意識と備えを高めるための15枚のパネルが展示されている。

地震:絶えず付きまとうリスク|Earthquakes: An Ever-present Risk

地図は、ヘイワード断層でM7クラス地震が発生したときに想定される震度(揺れ)のマップで、強い揺れを示す赤は、イーストベイのほとんどの人口密集地域と重なっている。

イーストベイ・ヒルズの火災と地震|Fire & Earthquake in the East Bay Hills

  • 地理的条件(Geography)―急勾配の土地は延焼がはやく、消火活動も困難
  • 気象的条件(Weather)―地中海性気候は、夏と秋に乾燥が激しい
  • 地質的条件(Geology)ー断層に近く、地震による火災が発生する可能性も高い
  • 準備不足(Lack of Prevention)―燃えやすい住宅や植物が被害を倍増させる
  • 確率予想—2043年までに72%

地震と火災を生き抜く|Surviving Earthquake and Fire

イーストベイ・ヒルズの火災危険エリア|Fire Hazard Areas in the East Bay Hills

危険地区が設定され、その地区内には特別の防災基準が設けられている。

火災:イーストベイ・ヒルズにとって毎年のリスク|Fire: A Seasonal Risk for the East Bay Hills

毎年のように火災が発生している

1991年の大火事がそれほど壊滅的だった理由|Why the 1991 Firestorm Was So Devastating

  • ディアブロの風(Diablo winds)と呼ばれる高温低湿の東風
  • 傾斜、道幅、隣との距離などの地理的条件
  • 自治体間・消防署間の協力がうまくいかなかった
  • ほか

1991年の大火事の教訓|Lessons Learned from the 1991 Firestorm

  • 自治体間の協力体制
  • 地域ぐるみでの準備
  • 建築基準の強化
  • ほか

気温が高く、空気が乾燥し、風の強い日はご用心|Be Aware on Hot, Dry, Windy Days

メンテナンスと間隔の保持が重要|Maintenance and Spacing are Key

防護のための間隔を設ける|Creating Defensible Space

避けたい可燃性の植物|Avoid These Flammable Plants

予防と備えが重要|Prevention and Preparation are Key

家を保護する|Protecting your Home

家の耐火性を高める|Make your Home more Fire Resistant

その他の情報リソース|Resources for More Information




読者の中で、イーストベイ・ヒルズに家のある方、またそうでない方も、ぜひ一度は訪れてみることをおすすめします。

注:パネルの詳しい翻訳は順次行うつもりですが、希望のあったパネルを優先する予定です。ただし、気長にお待ちください。


























2024年3月11日月曜日

カリフォルニア|地震への備え(Earthquake Preparedness)⑤

カリフォルニア|地震の備え⑤

第五回 断層線を歩く|Walking on the Fault Line (2)

ポイントレイズ国立海岸公園|Point Reyes National Seashore

この公園は、サンフランシスコからゴールデンゲートブリッジを渡って北に約1時間ほどのところにある。

渡米して間もなく、まだ遠くまでよく見えなかったころ、サンフランシスコのすぐ北に国立公園があるのを知った。いわゆる国立公園(National Park)の名前はついておらず、入園料もいらないが、たしかに1962年からナショナルパーク・サービスによって管理されている。

一日で、あるいは一回で全体を巡るには広すぎる。だいたい、1、2か所を周って早めに帰るのがいつものパターンで、通算すると、年に2、3回訪れていた頃もあった。灯台や岬、いろいろな海岸など、見どころも多い。

公園には、大自然も残されているが、その一方で昔からの牧場経営も引き続きなされている。

この公園の近くには、Point Reyes Stationという、文字通り、かつて鉄道駅のあった小さな町がある。いくらかは近代的であるが、西部劇ににでてきそうな町並みがあって、週末ともなると、たくさんの人でにぎわう。

イーストベイからは、サー・フランシス・ドレイク大通り(Sir Francis Drake Blvd.)がマリン郡を東西に横断して、この公園に至る。そしてその大通りは、灯台のある岬まで続いている。

このサー・フランシス・ドレイクという人は、16世紀後期の人で、アメリカ大陸の歴史がはじまって間もないころ、サンフランシスコ沖を船で通過して、このポイント・レイズに上陸を果たした私掠船(国が認めた「海賊船」の船長である)。

ビジターセンターと地震トレイル(Earthquake Trail)

巨大な三角形の半島の入口あたり、岬に向かう前のところ、ちょうどサンアンドレアス断層が通る場所にビジターセンターがある。センターの中には、この周辺の自然史や生態系などについての展示がある。

ビジターセンターから道を挟んで反対側に、1906年の地震の痕跡を残す場所が残されており、そこに1マイルに満たないループ・トレイルがある。トレイル沿いには、このあたりの地形や、サンアンドレアス断層、地震への準備についての情報のパネル(下記に掲載)が設置されている。

パネルを一つ一つ読みながら(見るだけでもよい)短いループ・トレイルを歩くだけで、たくさんのことを学べるようになっている。

このループの後半には、実際に1906年の断層のズレた痕跡が残されていて、そのエネルギーの強力さを物語っている。

地震トレイルの出発点にある標識

 

◉横ずれの痕跡が残された場所

フェンスの位置が約5メートル(16フィート)ずれている。


  


トレイル沿いには、地震についての知識と意識を高めるための案内板がある。

◉地震についての説明のある案内板

Sculpting Land and Life|地形と生活を形づくる

Living in a Geologic Moment|地質学的な瞬間に生きる

Plate Tectonics is Happening Beneath You|プレートテクトニクスは足下で進行中

Anatomy of an Earthquake|地震の詳しい分析

Ruptured and Scarred|大地が裂け、傷跡を残す

1906: The Fault Awakens|1906年:断層が目を醒ます

1989: Without Warning|1989年:何の前触れもなく

Epicenter of Geologic Study|地質調査の中心地

Searching for Meaning|意味を探して


◉子供向けの案内板

curious about earthquakes?|地震ってなんだろう

hidden power|隠された力

out continents move!|大陸は動いてる!

the fence jumped 16 feet!|フェンスが5メートルもズレた!

an earth-shaking day|大地が揺れた日

a train jumped its tracks|機関車が脱線

earthquake stories|地震について語り継ぐ

prepare before the quake|地震に備えよう