2024年2月23日金曜日

カリフォルニア|地震への備え(Earthquake Preparedness)④

カリフォルニア|地震の備え④

第四回 断層線を歩く|Walking on the Fault Line (1)

 

マッセルロック|Mussel Rock, Daily City, California

まず最初に訪れたのは、1906年のサンフランシスコ大地震の震源地に近く、なおかつサンアンドレア断層の真上にあるとされる「Mussel Rock」という場所である(Musselはムラサキイガイ[ムール貝]の意味)。

かの大地震の震央は、サンフランシスコのオーシャンビーチから西に約2マイルのところであったが、このマッセル・ロックからは北に約6マイルのところである。その地点からさらに北にはポイントレイズ半島があって、ここからも遠くに望むことができる。

海岸づたいに南に降りてゆけばすぐにパシフィカの町になるが、この場所はデイリーシティに属する。地図を見ると、この断層線がパシフィカとデイリーシティの境界線になっているようだ。別の言い方をすれば、この2つの町は別のプレート上にある。

  • パシフィカ:太平洋プレート
  • デイリーシティ:北米プレート

この駐車場は小高い丘の上にあって、そこからでも果てしなく広がる太平洋や、十分に迫力のある波濤、そしてその波濤が海に点々とする岩島や岸に砕ける様子が楽しめる。

  

ここは言うまでもなく、南北に延びるサンアンドレア断層が、陸から海に入る地点であり、ここから北は、海岸すれすれのところを通り、その途中で、ポイントレイズ(半島)やボデガ湾などを通過する。


南へはサンフランシスコ半島を縦断する形で、サンホゼの西のサンタクルーズ山脈を通過し内陸部へと向かう。1989年に発生したロマプリエタ地震の震央は、このサンタクルーズ山脈の一部にある。

マッスルロック公園(Mussel Rock Open Space)

マッスルロックの公園内に入ると、海岸線に近いところまでトレイルが続いている。マッスルロック島の近くまで行こうと思えば行けたが、なかほどまで行って少し波濤や遠くを眺めた後で引き返した。

陸側をみると、かなりの高低差の絶壁がある。その上には大きさの揃った住宅も見える。この絶壁が断層そのものかというとよくわからないが、少なくともそれと平行に走っているものとおもわれる。

案内板によると、今から125,000年前の間氷期には、このあたりは海峡であって、当時はサンフランシスコは島だったらしい。

自然災害と自然の景観

一般的にいえることだが、断層の通り道にはあまり人は住んでおらず、公園などに指定されていることが多い。これは他の災害についても同じで、活火山や、洪水の恐れのある低地には、人はなるべく住まわせないようになっているようだ。

これから、断層上にある様々な場所を訪れることになるが、実はこれまでにも知ってか知らずか、すでに訪れた場所もけっこう多く、たいていは観光地になっている。

例えば、ポイントレイズ半島、ピナクルズ国立公園、カリゾ平原などがある。そんな場所もまた新しい視点で訪れてみたい。

カリフォルニアといえば、いくつもの国立公園があるシエラネバダ山脈が名高いが、このサンアンドレアス断層上には、それに勝るとも劣らない名勝地が連なっている、と個人的には思いたい。

《マッセルロック・オープンスペースの案内板》





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2024年2月7日水曜日

カリフォルニア|地震への備え(Earthquake Preparedness)③

カリフォルニア|地震の備え③

第三回 地震の基礎知識・用語など

具体的な事例を取り上げたり、フィールドトリップをしたりする前に、常識の範囲ではあるが、地震に関する基本的な用語などをまとめておきたいと思う。

地震の揺れ

特定の場所での地震による揺れの度合いを表す震度(Seismic Intensity)は、10段階の階級で表される。

地震の揺れのことは、英語では次のような言葉で表現される。

  • Quake|地震の振動で地面が揺れること
  • Shake|shaking|shakiness|震動、動揺、揺れをあらわす普通のことば
  • Jolt|jolting|急激に揺すぶられるようすをあらわす
  • Tremor|ちいさな地震、震動のことで、恐怖などの意味が混じる
  • Shock|地震などによる衝撃
  • Aftershock|余震          (ほかにもあれば、教えてください!)

気象庁の場合

日本の気象庁では、最大震度7までの独自のシステム(Japanese Earthquake Scale)を採用している。これも10段階の階級に分類される。アメリカなど世界で使われている基準と気象庁の震度を対比すると、だいたい次のようになると思う(非公式)。

|震度0|無感|Not felt
|震度1|微震|Slight earthquake
|震度2|軽震|Weak earthquake
|震度3|弱震|Light earthquake
|震度4|中震|Moderate earthquake
|震度5弱|強震|Strong earthquake
|震度5強|強震+|Very strong earthquake
|震度6弱|烈震|Severe earthquake
|震度6強|烈震+|Violent earthquake
X+|震度7|激震|Extreme earthquake

アメリカなどの場合は、震度X(10)を超える震度もあるようだ。それに対して日本の場合には、最大震度は7とされている。

出典:気象庁

気象庁のページには、震度についてのパンフレットなどが用意してあるので、一度は目を通しておくのがいいと思う(気象庁「震度について」へのリンク)。

地震の規模、マグニチュード

これに対して、地震の規模(エネルギー)を表すのがマグニチュード(M)であり、英語の「magnitude」は「大きさ」や「等級」といった意味である。

地球上で発生し得る地震の規模はM10程度とされている。M9なら最大級である。対数の式によってあらわされ、よく言われるのが、マグニチュードが0.2増えるとエネルギーは2倍、1増えると32倍、2増えると約1000倍になる。

カリフォルニアの断層で発生する地震はたいてい震源が内陸であり、大都市圏に近い場所で発生すればM6クラスの地震でも、かなりの揺れと被害になることになる。

定期的に制作されるカリフォルニアの地震をテーマにした映画では、だいたいM8やM9クラス、「かつてカリフォルニアが経験したことのない規模」が想定されている。

ただし、サンアンドレアス断層は横ずれ型の断層なので、最大でM8くらいまでが想定されているようである。

これまで被害をもたらしたカリフォルニアの主な地震のマグニチュードは次のとおりである。

▪1857 Fort Tejon Earthquake|M7.9|LAの北
▪1868 Hayward Fault|M6.8|SFイーストベイ
▪1906 San Francisco|M7.9|SFベイエリア
▪1933 Long Beach|M6.4|LAエリア
▪1971 San Fernando (Sylmar)|M6.5|LAエリア
▪1989 Loma Prieta|M6.9|SFベイエリア
▪1992 Cape Mendocino|M7.2|SFの北
▪1994 Northridge|M6.7|LAエリア
▪2014 South Napa|M6.0|ナパ
▪2019 Ridgecrest|M7.1|イースタンシエラ

今年に入ってから、毎日地震マップを見るようになって、ちょっと気がついたのは、ごく弱い地震であるが、ナパの北部で群発地震が発生している。ガイザー(Geyser|間欠泉)のあるあたりである。いつものことなのか、どうなのかは定かではないが、先月中ごろにはM4クラスの地震もあった。 約10年前にはナパ南部でM6の地震があったが、もうすっかり忘れかけていた。

その他の用語

地震の報道などでよく使用される用語

  • 震源|hypocenter|地震発生の場所
  • 震央|epicenter|震源の真上の地上
  • 震源の深さ|depth of hypocenter
  • 断層/活断層|Fault/Active fault
  • トラフ|Trough|海溝よりは浅くて幅の広い、海底の溝状の地形(舟状海盆)のこと
  • 海溝|Trench|細長い深海底の溝状の地形で、水深は通常6,000m以上
  • P波/S波|Primary wave/Secondary wave|「第一波/第二波」の意味
  • 長周期地震動|Long period ground motion|長い周期での揺れ、高層ビルで対策が必要
  • 液状化|Liquefaction|地盤が液体のようになる現象
  • 津波|Tunami|英語でも「ツナミ」という
  • 防災|Disaster prevention
  • 避難|Evacuation
  • 避難路|Evacuation route 
  • ハザードマップ|Hazard map
その他の地震関連の和英用語集(RNN時事の「地震」のページ

今年になってから、地震をテーマにした映画を3本観た(近日中に紹介)。「あり得ない」と無意識のうちに思ってしまう場面も多いが、実際に「震央」付近にいる人や、震央からは少し離れていても、地盤の緩い場所にいる人にとっては、かなり現実味を帯びているといわざるを得ない。

いずれにせよ、「起こる前に、意識を高め、備えをしておくしかない」と自分に言い聞かせているところである。

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次回以降は、フィールド・トリップに出かけられたら、その報告も交えていきたいと考えています。
一緒に出かけてみたい方がおられましたら、ご連絡ください。