カリフォルニア|地震の備え①
第一回 カスカディア沈み込み帯(Cascadian Subduction Zone)
2024年に入るとすぐに北陸・能登からの地震の一報。それ以来、地震のことが頭から離れず、いろいろな情報収集をはじめた。
米国西海岸・カリフォルニアの住人としては、「対岸の火事」ではなく、どこで地震が発生しても警鐘としてとらえるべきだと思う。「明日はわが身」なのである。
カリフォルニアに住んでいれば、記憶に新しい過去に何度も大地震は発生していて、州を南北に貫いて「サンアンドレアス断層」(San Andreas Fault)が走っていることは、誰でも知っている。
実際に、サンフランシスコ大地震(1906年|M7.9)とロマ・プリエタ地震(1989年|M6.9)は、どちらも、サンフランシスコとその周辺に大きな被害をもたらしたが、それらの震源は、サンアンドレアス断層上にあった。その痕跡は各地に残されている。
これらの地震については、後の回で取り上げることにして、まずは、(たぶん、カリフォルニアでは)あまり意識の中にない、「カスカディア沈み込み帯」(Cascadian Subduction Zone)での地震活動について取り上げることにする。
カスカディア(Casdadia)
このあたりの地域のことは、太平洋岸北西部(Pacific Northwest)と呼ばれる。またの名を「カスカディア」(Cascadia)という。そして、このカスカディアの沖合には、北米プレートと太平洋プレートに囲まれるように「ファンデフカプレート」(Juan de Fuca Plate)という小さな海洋プレートがあって、これが、北米プレートの下に沈み込んでいる。この一帯のことを「カスカディア沈み込み帯」(Cascadian Subduction Zone)という。
日本語訳としては、「カスケード」沈み込み帯が当てられていますが、なんとなくしっくりこないので、このページでは、「カスカディア」で通すことにします。
この名前を初めて意識したのは、2年前にカリフォルニア北部沿岸の町々、ファーンデール、ユリーカ、クレセントシティ、などを訪れた時である。特に、ファーンデール(Ferndale, CA)沖は、小規模ながら群発地震の発生域であり、クレセントシティ(Crescent City, CA)は、アラスカ地震(1964年|M9.2)で発生した津波で、大被害を受けた町として有名である。
カスカディア地震(Cascadia earthquake)
最近は、北西部沿岸は実のところ、地震の空白域になっていて、記録にある最後の大地震は、1700年1月26日に発生したとされる。
アメリカやイギリスが領土として認識・意識しはじめたのは、1800年代に入ってからのことで、まだ先住民たちだけが暮らしていた時代に発生した時代で、何の記録も残っていない。
この日付が特定されたのには、多少の経緯がある。まずは先住民の伝承から、この地域に定期的に大地震が発生していることがわかる。後に海岸の地形や地質などの研究から、1700年前後に大地震があったことが判明する。
その後、ゴーストコースト(Ghost Coast)と呼ばれる、過去の地震の痕跡地にある樹木の年輪から、その年は1700年であったことが特定された(これをつきとめたのは日系人の年輪年代学者(dendrochronologist)ヤマグチさんという人らしい)。
それから、日本の地震学者(Seismologist)によって、そのころ日本の太平洋岸に到達した津波の記録から、日付や発生時刻までも特定されたという。
今後のこと
過去の記録から、この地域では、数百年に一回の大地震(M9クラス)が発生していることが分かっていて、日本の南海トラフと同様、いつ来てもおかしくないといわれている。
アラスカや南米のチリではM9以上の地震はあったが、西海岸・カスカディアでのM9クラスの大地震はまだ、米国史には刻まれていない(サンアンドレアス断層での地震はせいぜいM8クラスだそうだ)。研究によれば、ここで地震が発生すると、オレゴン州、ワシントン州の大都市である、シアトルやポートランドを含めて、大きな被害が発生するといわれている。
津波の発生まで考えると、だいたい州間道路5号線より西の区域は、かなりの被害を覚悟しないといけないらしい。かなり広く、内陸まで入った地域である。
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年始早々、地震の話をして、物騒だと言われるかもしれませんが、「備えあれば憂いなし」というし、私は、自分でできる範囲で「備えて」、あとは心配しない「憂えず」の日常を送りたいと考えています。
ある火山・地震系のユーチューバーをフォローし始めました。その学者さんは、「水一本からでもいいから、準備をはじめたらいい」と備えを進めています。
今日とり急いで、このシリーズをはじめようと決めたのは、奇遇にも、今日がその「カスカディア地震」の記念日1月26日だったからです。
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